一般質問 平成28年(2016年)12月議会

◆10番(林秀人) 
 議長のお許しを得ましたので、先の通告に従い、シティプロモーションについて質問をさせていただきます。
 シティプロモーション、一般には少しぴんとこない用語です。シティは都市という意味ですが、シティプロモーションのシティは自治体のほうが適切かと思います。プロモーションはプロモートという動詞に接尾辞のTIONをつけ名詞化した言葉です。プロモートは促進するという意味ですので、プロモーションは促進ということになります。直訳すればシティプロモーションとは、自治体促進となります。わかりやすく言えば自治体活性化といえると思います。これは少子高齢化、人口減少、財政難などにより、自治体規模が縮小傾向に陥ったり、あるいは近い将来に陥ることを想定し、再び成長あるいは維持することを目的に活性化をしようとするものであると認識をしています。知名度の向上や観光振興による定住人口や雇用の増加、地域経済の活性化などによる税収の増加等、経営資源の獲得が狙いであるといえます。
 本市においても、知多市シティプロモーション基本方針を策定し、取り組みが始まっています。私の所属する創政会でもシティプロモーションの取り組みは重要であると考え、本年10月26日、27日に福井県坂井市で開催された全国シティプロモーションサミット2016に参加をいたしました。今年のテーマが「シティプロモーションで加速する地方創生」ということで、内閣府・総務省・観光庁が後援をし、地方創生加速化交付金の補助を受けた事業であります。シティプロモーションは、地方創生の大きな1つの要素であるといえます。
 このサミットでは、うどん県・ひこにゃん・今年の漢字など、数々の地方PRを成功に導いた国民的ブームの仕掛け人である殿村美樹さんによる基調講演を始め、イノベーションによる地方創生をテーマにしたパネルディスカッションや平成28年全国広報コンクールで、内閣総理大臣賞を受賞した静岡県島田市、サテライトオフィス誘致により、わずか3年間で社会人口増をなし遂げた徳島県美波町などメディアでも話題の自治体による自治体先進事例のプレゼンテーションが行われました。
 中でもとりわけ印象に残ったのが殿村美樹さんによる基調講演でした。殿村さんは、ひこにゃん・うどん県・今年の漢字などのブームをつくったPRのプロであります。PRとは、パブリックリレーションズの略で、日本では広報や広告と混同されがちですが、そのいずれとも違い、企業や団体が社会とよい関係を構築するための活動であります。今後、本市のシティプロモーションの取り組みのヒントになればと思いますので、PRについて殿村さんのお話で印象に残った部分を御紹介させていただきます。
 大企業などが取り入れる王道のPRは、こんな効果もある、こんなこともできると、どんどんと価値をつけ足していく足し算のPRが多く使われているとのことです。殿村さんは、地方や中小企業のPRでは、多くの資産から目的に応じてどんどん要素を引いていき、最後に残ったオンリーワンに光を当てる引き算のPRを心がけているそうです。もともとその地域にある魅力を洗い出し、物語や演出を加え社会の話題にしてもらう手法とのことです。ポイントは、その地域に既にある魅力を発掘するということと、新聞やテレビなどのメディアに取り上げていただくことと私は感じました。この手法であれば、お金をかけた箱物やイベント、派手な宣伝広告が必要なく、限られた経営資源で取り組めるといえます。このほかにもさまざま参考になるお話がありましたが、殿村さんは、PRに関する書籍を何冊か出されていますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
 また、このサミットに参加させていただいて強く感じたのですが、既に自治体間の熾烈なシティプロモーション合戦が始まってといるということです。既に効果があらわれている自治体もあるということと、うまくPRを行うことで、限られた予算で取り組めることがわかりましたので、本市でも積極的に進めていただきたいと感じております。
 本市のシティプロモーションは始まったばかりですが、これからどのように進めていくのか確認をさせていただきたいと思い、今回質問をさせていただきます。本市でも既に知多市シティプロモーション基本方針を今年3月に策定され、検討を進めていただいております。
 そこで1点目、知多市シティプロモーション基本方針についての1つ目、知多市シティプロモーション検討委員会の組織についてお聞きいたします。2つ目として、今後の具体的な取り組みについてお聞きいたします。基本方針の中にシティプロモーション戦略についての記述があります。そこで3つ目として、シティプロモーション戦略等の立案の考えについてお聞きいたします。
 2点目として、シティプロモーションの主体の拡大についてお聞きしたいと思います。
 基本方針の中で、シティプロモーションの主体は全職員ということになっていますが、インターネットなどさまざまな情報発信手段がある昨今では、行政が最も情報発信力があるとはいえなくなっています。メディアを限れば、市民・団体・企業のほうが、圧倒的に情報発信力がすぐれている部分もあります。そのような方々に御協力をいただかなくては、成功はおぼつかないと私は考えます。
 そこで1つ目として、市民の参画についてお聞きいたします。また、2つ目として、企業等の参画についてお聞きいたします。
 以上、お聞きいたしまして、壇上からの質問を終わります。
     (10番 林 秀人議員 降壇し質問席へ移動) P.81 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 市長。
     (市長 登壇) P.81 市長(宮島壽男) ◎市長(宮島壽男) 
 10番 林 秀人議員の御質問にお答えいたします。
 御質問の1番目、シティプロモーションについてでございますが、自治体の活性化に向けた取り組みとして、シティプロモーション事業が全国で展開されております。本市におきましても平成28年3月に知多市シティプロモーション基本方針を策定し、各種取り組みを進めているところでございます。
 御質問の1点目及び2点目につきましては、企画部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
     (市長 降壇) P.81 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 企画部長。 P.81 企画部長(森田俊夫) ◎企画部長(森田俊夫) 
 御質問の1番目、シティプロモーションについての1点目、知多市シティプロモーション基本方針についての1つ目、知多市シティプロモーション検討委員会の組織についてでございますが、本委員会は総合的かつ戦略的なシティプロモーションの基本方針を策定するとともに、本市の魅力を創造・発信し、知名度等を向上させることにより、交流人口の増加、ひいては定住の促進につなげていくことなどをコンセプトに、平成27年度に発足した組織です。この組織は、各部署を代表する35歳以下の若手職員11人の委員等で構成されています。
 次に2つ目、今後の具体的な取り組みについてですが、本年度実施いたしました30秒のCMコンテストは本市の魅力をよりPRするための取り組みとして、映像の持つ特性を活かしたCM映像を公募で行ったものであります。今後も写真などの静止画やビデオムービーなどの動画といったビジュアル的な要素を取り入れたコンテスト等を継続していきたいと考えております。また、来年度の取り組み予定のシティプロモーション推進ホームページでは、新たなツールとして積極的な情報発信の活用に努めていきます。
 次に3つ目、シティプロモーション戦略等の立案の考えについてでございますが、基本方針にもありますように、シティプロモーションはその効果を確認しながら、実施内容等を検討する必要があることから、長期的な計画を示すことが難しい取り組みであると認識しております。そのため、基本方針にのっとり、市民の声はもちろんのこと、時代への先取りや、国・県の動向など、費用対効果を意識したオリジナリティにあふれたインパクトのあるシティプロモーション戦略のための検討を委員会で進めているところであります。
 次に2点目、シティプロモーションの主体の拡大についての1つ目、市民の参画についてでございますが、現在、シティプロモーション推進ホームページの内容につきまして、委員会で検討を進めておりますが、その中で市民の皆様にもソーシャルネットワーキングサービスを活用しながら、本市の情報を発信してもらえるような取り組みをという意見も多く提案されております。シティプロモーションへの市民参画として有用な方法と考えており、実施に向けての検討を進めています。
 次に2つ目、企業等の参画についてでございますが、シティプロモーションを推進するに当たっては、市民の皆様はもとより、商工会を始め企業の皆様の御協力も必要不可欠であると考えております。今後、決定するキャッチフレーズのデザインの活用等に当たり、企業等の皆様にも参画していただくような働きかけを検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 P.82 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 林議員。 P.82 10番(林秀人) ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございました。来年度、シティプロモーション推進ホームページを開設を予定されているとの答弁がありました。とても期待をしております。また、オリジナリティあふれるインパクトのあるシティプロモーション戦略を策定されるとのことでありますので、こちらもぜひよいものに仕上げていただきたいと思います。
 それでは、再質問をさせていただきます。
 1点目の1つ目、知多市シティプロモーション検討委員会の組織についての再質問ですが、今後の検討委員会の組織について、新たな方向性等をお聞きいたします。 P.82 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 企画部長。 P.82 企画部長(森田俊夫) ◎企画部長(森田俊夫) 
 御質問の件についてでございますが、本検討委員会の委員は若い世代であることから、時代の流行にも敏感で、ソーシャルネットワーキングサービスといった情報発信ツールを有効に活用している職員もたくさんおります。このようなことから、来年度公開するシティプロモーション推進ホームページの中で、委員自らが率先して情報発信に取り組んでいく方向で検討を進めておりますので、よろしくお願いいたします。 P.82 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 林議員。 P.82 10番(林秀人) ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございました。検討委員会の委員は若い世代の職員さんということで、SNSも積極的に利用されているということでありました。私もフェイスブックで何人かの職員さんと友達になっていますが、非常に積極的に情報発信に取り組んでみえる方もおり、頼もしく感じております。職員さんだけでなく、市長さんも自らSNSを活用され、情報発信に努めていただいております。いつも楽しみにしております。
 続いての再質問ですが、こちらも1点目の1つ目、知多市シティプロモーション検討委員会の組織についての再質問ですが、シティプロモーションを成果に結びつけていくためには、様々な能力が必要になってくると思います。というのは、従来の行政ではあまり重要視されなかった売り込む技術、物語をつくる技術、心に響く文章を書く技術などが要求されます。そこで、委員の知識や技能の向上策についてお聞きいたします。 P.83 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 企画部長。 P.83 企画部長(森田俊夫) ◎企画部長(森田俊夫) 
 御質問の件についてでございますが、本検討委員会の委員の知識や技能の向上といった取り組みはシティプロモーションの推進を図る上で重要であると考えております。委員の中には、自らが先進的な自治体の事例を積極的に研究しているケースも見受けられますが、今後、シティプロモーションに係る研修への派遣や専門的な講師を招いての研修会の開催などを検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。 P.83 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 林議員。 P.83 10番(林秀人) ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございます。研修への派遣や専門的な講師を招いての研修会などを検討していただけるとの答弁がありました。シティプロモーションの主体は全職員はもとより、今後は市民や企業などにも拡大していくということですので、全職員・市民・企業も対象とした研修を行っていただければと思います。
 続いての再質問ですが1点目の2つ目、今後の具体的な取り組みについての再質問ですが、来年度、シティプロモーション推進ホームページの開設を予定されているとの答弁がありました。ホームページ自体は現在も市の公式ホームページもありますが、従来とどう違うのかについてお聞きをいたします。 P.83 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 企画部長。 P.83 企画部長(森田俊夫) ◎企画部長(森田俊夫) 
 御質問の件についてでございますが、従来とは違った取り組みとして、ソーシャルネットワーキングサービスを活用したインスタグラムの写真コンテストなどを予定しております。よろしくお願いいたします。 P.83 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 林議員。 P.83 10番(林秀人) ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございました。SNSの活用が従来との違いとのことでしたが、自治体におけるSNS活用で課題となっているのが即時性であります。即時性が高いことがSNSのメリットですが、自治体や企業のように組織が大きくなると掲載まで幾つも決裁が必要となり、SNSのメリットを十分に活かせないという事例が多くあります。この課題を解決していくには、決裁のレベルを考慮することのほかに、SNSの情報発信について配慮すべき点を十分に熟知することが挙げられます。私も議員活動における情報発信はSNSをとても重視しています。今後は、私も知多市のシティプロモーションの主体の一員になっていくわけですので、ともに学んでいきたいと思います。
 再質問は以上とさせていただきます。
 最後に幾つかの提言をさせていただきます。
 まず、シティプロモーションという名称ですが、とてもわかりづらく、ぴんときません。今後は、オリジナリティあふれるインパクトのある戦略を打ち立てられるとのことですので、ぜひ名称もわかりやすい日本語で考えていただきたいと思います。
 一例として、半田市ではシティプロモーション活動の推進に向けて、公募で集まった市民・市民活動団体・企業など約50名が参加する、ふるさと半田応援団会議を発足されました。非常にわかりやすい、どのような年代でもすぐにぴんとくるすばらしい名称だと思います。この組織で、シティプロモーション戦略の策定も行うとのことです。本市であれば、「ちょうどいいまち知多宣伝隊」などはいかがでしょうか。ぜひ御検討をお願いいたします。
 次に、質問もいたしましたが、市民や企業などの参画を積極的にお考えいただきたいということです。なぜかというと、シティプロモーションで成功していくためには、遊び心やおもしろい発想などが必要だからです。行政がやったら不謹慎とかふざけていると思われるようなことでも、民間であればほほ笑ましいと受け入れていただける事例はたくさんあります。そこで、市民や企業等の参画を促すために、シティプロモーションについての貢献を毎年顕彰していただきたいと考えます。「ちょうどいいまち知多宣伝隊 年間MVP表彰」といった感じで、たたえていただければと思います。
 それから、こちらも質問をさせていただきましたが、職員研修についてですが、ぜひ来年の全国シティプロモーションサミットに派遣していただきたいと思います。サミット自体は無料で参加できますし、全国の先進事例の報告を複数知ることができるよい機会であります。来年は東京都品川区での開催が決定をしております。ぜひ御検討ください。
 これから知多市もPRするポイントを洗い出していかなければならないと思いますが、私が見つけた知多市の光り輝くポイントを御紹介させていただきます。
 私の愛読書は、都市データパックという自治体のデータを集めた、毎年、東洋経済が発行している本です。住みよさランキングが掲載されていることでも有名な書籍であります。2016年版で知多市の年少人口比率は全国80位です。少子化の時代に、これは結構誇れる数字ではないかと思います。今後の検討の中で研究していただきたいと思います。
 最後に、今後のPRについて提言をさせていただきたいと思います。
 私は、自分の行っている事業や活動で何度か新聞に取り上げていただいたことがあります。テレビで取り上げていただいたこともあります。このほとんど全てが自分で手紙を書いて、新聞社やテレビ局に送って、事業や活動を知っていただくことで取り上げていただきました。手紙を書くときは、相手の心に響くことを心がけています。あまり格好よくはありませんが、書きながら自分で感動して涙ぐんでしまう時もあります。映像や写真で情報発信できる時代になりましたが、情報発信の最も重要なものが文字であり文章だといえます。5W1Hだけでは心に響きません。5W1Hプラス、そのプラスが大切だと思います。心に響くストーリーこそがプラスです。今後のシティプロモーション活動に心に響くストーリーを加えていただくことを最後に提言いたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) P.85 議長(勝崎泰生) ○議長(勝崎泰生) 
 10番 林 秀人議員の質問を終わります。
     (10番 林 秀人議員 自席へ移動)

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