一般質問 平成30年(2018年)6月議会

◆10番(林秀人) 
 議長のお許しを得ましたので、先に通告いたしました1番目、産業支援について、2番目、特産品としてのペコロスについて質問をさせていただきます。
 まず初めに、産業支援について質問をいたします。
 産業支援とは、農林水産業を含む全ての産業を対象とした支援で、中小企業支援や小規模企業支援よりも幅広い範囲の事業者を対象とした支援と言えます。国も地方創生の観点から、地域経済産業政策として産業支援に力を入れています。平成26年には、国は全都道府県に無料の経営相談所であるよろず支援拠点を設置し、事業者の売上拡大、経営改善など、経営上のあらゆる悩みの相談に対応しています。今回は、本市においても産業支援の充実がさらなるまちの発展のために必要不可欠であると考え、質問をさせていただきます。
 本市は近隣市と比較して、人口1人当たりの雇用がおよそ半分程度であります。また、顧客吸引力指数が0.4と6割の消費が市外に流出しているなど、産業面では大変大きな課題を抱えていると言えます。一方で、産業振興の取り組みとしては、企業誘致とそのための工業用地の拡大を行っていただいております。企業誘致は産業振興の王道と言えますが、日本中のほとんどの自治体で取り組んでいると言っても過言ではなく、自治体間の企業誘致競争が激化しております。
 また、若者の製造業離れも深刻化しており、職人の平均年齢は40歳を超えています。若者は都市型産業を始めとする多様な職種への就業を希望しており、このような点からも地域の多様なお店や企業、農林水産業も含めた地域のあらゆる産業を支援し、成長を促すことが産業振興のもう一つの王道ではないでしょうか。
 本市には2,000を超える事業所があります。それぞれの事業所が雇用を1人ふやせば、2,000人を超える雇用増となります。今こそ企業誘致を中心とした産業振興から、企業誘致とともに地域の事業所の発展を促す産業支援を両立てにした2本柱の産業振興にかじを切る必要があると考えます。
 そこで、本市における産業支援についての取組状況や、今後の考え等をお聞きいたします。
 1番目、産業支援についての1点目、現状についての1つ目、取組状況について、2つ目、事業者の求める支援の内容について、3つ目、経営相談の状況について、2点目、課題について、3点目、条例制定の進捗状況について、4点目、今後の考えについて、以上お聞きいたしまして、壇上からの質問を終わります。
     (10番 林 秀人議員 降壇し質問席へ移動) ○議長(冨田一太郎) 
 市長。
     (市長 登壇) ◎市長(宮島壽男) 
 10番 林 秀人議員の御質問にお答えいたします。
 御質問の1番目、産業支援についてでございますが、地域経済の担い手として市内事業者の大部分を占める中小企業、小規模事業者の活性化は、最優先に取り組むべき課題でございます。本市では、商工会や県信用保証協会、金融機関等と連携し、創業や経営相談を始め、事業補助金の交付、保証料の補助等、様々な支援策を講じているところでございます。
 御質問の1点目から4点目までにつきましては、環境経済部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
     (市長 降壇) ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の1番目、産業支援についての1点目、現状についての1つ目、取組状況についてでございますが、近年、生産年齢人口の減少により、特に中小企業、小規模事業者の働き手不足は深刻さを増しており、早急な人材の確保や生産性の向上のための設備投資に伴う資金確保が求められています。こうした現状を踏まえ、今年度から中小企業、小規模事業者が行う設備投資、販路開拓、人財力事業に対し、がんばる中小企業応援補助金を創設し、資金と人材の両面から支援を行っています。
 次に、2つ目、事業者の求める支援の内容についてでございますが、事業者が直面する様々な課題に対して、手軽な相談窓口として商工会の経営指導員による巡回指導と窓口指導があり、平成29年度では巡回指導が約1,100件、また窓口指導が約560件行われております。この相談内容としましては、働き手不足により人材確保や後継者不足による事業の継承が困難なことについての相談のほか、運転資金に関する経営相談、新たな設備投資の際に利用できる補助制度に関する相談が多く寄せられています。
 また、商工会では対応に苦慮する相談には、中小企業診断士などの専門家を派遣しており、平成29年度は15件の相談に対応しています。
 次に、3つ目、経営相談の状況についてでございますが、昨年度、市への経営相談として、創業を目指す方から利用できる補助制度や融資制度について4件の相談があり、市の補助制度の内容及び金融機関や県信用保証協会が行っている融資制度を紹介しています。また、専門講師による創業支援セミナーの開催や、商工会の創業個別相談会を案内しました。
 次に、2点目、課題についてでございますが、現在、多くの中小企業、小規模事業者は、新たな設備投資や市場開拓に伴う資金の確保が困難なこと、経営改善に有効な支援制度を把握できていないこと、また、働き手の不足による事業継続や後継者の不在により事業承継が困難となることなど、様々な問題を抱えています。こうした状況に鑑み、画一的な支援ではなく、各事業者の事情に沿った支援体制の構築が喫緊の課題と考えています。
 次に、3点目、条例制定の進捗状況についてでございますが、地域経済の活性化に向けての第一歩は、課題解決のための地元商工業者のニーズを直接聞く仕組みづくりであると認識しています。現在、市では金融機関、商工会及び地元商工業者も交えた産業の振興策などを意見交換する関係者会議の開催に向けた準備を進めています。今後、この会議で出される意見等の内容を踏まえ、産業支援に関する条例制定について、調査検討を進めてまいります。
 次に、4点目、今後の考えについてでございますが、今後は中小企業、小規模事業者の現状における課題の把握に努め、直面する諸問題に対して商工会と連携して事業者に寄り添い、経営計画を着実に進めていく支援体制の充実に努めてまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 答弁ありがとうございました。
 事業者の求める支援策を把握し、支援体制の充実を図りたいという強い思いを持った答弁だと感じました。
 それでは、再質問をさせていただきます。
 1点目の現状についての1つ目、取組状況についての答弁に対する再質問ですが、総合計画には市役所が中心となって担っていくこととして、「商工業者に対し、経営革新や経営基盤の強化、新分野への進出に対する支援体制を整える」とあります。この部分についての説明はなかったように思いますが、この部分についての現状はどのようになっているかについてお聞きをいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、今年度に創設したがんばる中小企業応援補助金等による資金面の支援や、商工会と連携した経営改善等に関する相談窓口などを整えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございました。
 次に、同じところで、がんばる中小企業応援補助金の現状の申し込み状況についてお聞きいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、現時点でがんばる中小企業応援補助金に関しまして、設備投資事業の相談が1件ありましたので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございました。
 次に、同じくがんばる中小企業応援補助金のうち、設備投資事業での補助を受けるためには、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画を作成し、事業所管大臣から認定を受けることが必要となります。認定を受けた経営力向上計画に基づいて実施した設備投資事業に対し、補助金が交付されるわけですが、現在、がんばる中小企業応援補助金を申し込むために経営力向上計画を申請している事業者数と、経営力向上計画の作成に対する支援が行われているかについてお聞きをいたします。経営力向上計画の申請書類を見ましたが、記入するのに理解しにくい項目もあり、内容を把握した方による支援が必要と感じましたので、お聞きをいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、がんばる中小企業応援補助金を申し込むために経営力向上計画を申請している事業者は、現在のところありません。また、経営力向上計画の作成支援は、申請する事業者に対し商工会や金融機関などが助言等を行っていますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございます。
 次に、1点目の現状についての2つ目、事業者の求める支援の内容についての再質問です。
 商工会は巡回指導や窓口指導を行い、事業者の求める支援内容の把握に努めているようですが、施策を講じる主体として、市は直接、事業者の求める支援の内容を把握する必要があると考えます。アンケートや事業者への訪問等の検討を行っているかについてお聞きいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、市独自に事業者へのアンケート調査及び事業者への訪問は行っておりませんが、商工会と毎月会合を行い、商工会への相談内容について報告を受け、事業者の課題の把握に努めておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございます。
 次に、2点目の課題についての再質問ですが、各事業者の事情に沿った支援体制の構築が課題とのことですが、課題解決の方策についてお聞きいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、行政、商工会、金融機関などが連携して、支援の役割を分担し、課題に即して対応していくことが必要と考えていますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございます。
 次に、3点目の条例制定の進捗状況についての再質問ですが、地域経済の活性化に向けての第一歩は、地元商工業者のニーズを直接聞く仕組みづくりであると認識しているとのことですが、その理由についてお聞きいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、商工業者が抱える諸問題は業種や経営規模などに異なりますので、実態に即した支援策を提供するためには、支援団体である行政、金融機関、商工会で商工業者からの声を聞くことが必要と考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございます。
 次に、4点目、今後の考えについての再質問です。
 商工会と連携して事業者に寄り添い、経営計画を着実に進めていく支援体制の充実に努めていきたいとのことですが、産業支援について全国的な成功事例等としてどのようなものを把握しているかお聞きをいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、参考事例として富士市産業支援センターや岡崎ビジネスサポートセンターは、マーケティングや販路開拓、プロモーションなど各分野の専門家による総合的なサポート体制を整え、経営全般に関する相談を行っているとの情報を得ておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 それぞれ御答弁ありがとうございます。
 本市の産業支援について、掘り下げてお聞きをすることができました。再質問はここまでとさせていただきます。
 ここからは所感を述べさせていただくとともに、産業支援についての要望と提言をさせていただきます。
 今回の質問で、本市の産業支援についての課題が浮き彫りになったと感じております。まず、商工業者の支援についての要望の把握が課題であるという点です。これは幾つかの答弁でお答えをいただきました。これについては、産業政策を立案し、施行する主体として、必要不可欠な要素でありますので、アンケートや事業者への訪問等を通じて、把握に努めていただくことを要望いたします。特にアンケート調査については、有効な手段であるとの認識をお持ちであると思いますので、早急に取り組んでいただきたいと思います。
 商工会は、産業振興を行う上で大変重要なパートナーであります。しかしながら、商工会の活動は商工会法という法律で範囲が限定されております。また、商工会は産業経済政策全般にわたる長期計画を立てているわけではありませんし、小売業年間商品販売額や事業所従業者数などの目標値を設定しているわけでもありません。市全般にわたる産業経済政策の企画立案を行い、施策を講じ、課題解決を図っていく主体はあくまでも市役所であります。主体自ら必要な情報は収集していただくことも、あわせて要望をさせていただきます。
 産業支援に関する条例制定については、調査検討を進めていくとのことですが、条例制定によって様々な取り組みが始まるとの期待もあり、商工関係者から早期の制定を望む声を聞いております。実態に即した支援策を提供するためには、商工業者からの声を聞くことが優先するとの答弁もありましたが、条例制定に向けた作業と同時進行で進めることは可能であります。早期の産業支援に関する条例制定を要望いたします。
 最後の再質問で、静岡県富士市のエフビズや岡崎市のオカビズが充実したサポート体制により、事業者の課題に対して質の高いコンサルティングを行っているとの情報を得ておりますとの答弁がありました。先進事例の把握に努めておられると感じた次第であります。
 実は、私も現状において、日本国内で有効な産業支援の手法はないかと調べていたところ、静岡県富士市の富士市産業支援センターエフビズの事例に行き当たりました。そこで、エフビズセンター長の小出宗昭氏の著作を何冊か購入し、読んだところ、大変興味深い内容でありました。これは視察させていただき、直接お話をお聞きしたいと思い、視察を申し込んだところ、受け入れていただきましたので、5月29日に視察に行ってまいりました。視察はセンター長の小出氏自ら対応していただき、一対一で産業支援についての詳細なお話をお聞きすることができました。
 富士市産業支援センターエフビズは、公設民営で運営されており、質問の冒頭で触れました国が全都道府県に設置したよろず支援拠点は、実はこのエフビズをモデルとして設置されています。エフビズの特徴は、売り上げを上げるビジネスコンサルティングを無料で行うことです。ポイントは、売り上げを上げるコンサルティングを行っていることだと言えます。今回の質問で、事業者の支援の要望を把握することが課題であるとのことでしたが、実は経営上の課題の多くは売り上げが上向くことで解消すると言われています。つまり、事業者の課題の本質は、売り上げを上げることにあると言えます。
 よろず支援拠点全国本部のポータルサイトによると、平成28年度の相談内容で一番多いのが、売上拡大で69パーセントとなっています。2番目の経営改善・事業再生が16パーセント、3番目の創業が12パーセント、4番目の事業継承が1.2パーセントとなっており、際立って売上拡大が多い状況となっています。しかしながら、従来型の産業支援では売り上げを上げるための支援が困難であったため、売上拡大についての相談はできないもの、あるいは相談しても成果は上がらないと思われ、実際の相談には上がってこなかったと推察することができます。エフビズモデルの支援センターやよろず支援拠点のように、売上拡大についての相談が可能であれば、売上拡大についての相談が大半を占めることが予想されます。
 私は自治体の産業振興の基本は、そのまちでもともと事業を行っている事業者の経営を支え、発展を促すことにあると考えています。私の所属する創政会では、会派としてエフビズモデルの産業支援センターを調査研究するため、7月2日に長崎県大村市の大村市産業支援センターオービズに視察に行かせていただきます。県内にはオカビズもありますが、人口が38万人と人口規模に違いがありますので、本市と人口規模が同程度の大村市に設置された大村市産業支援センターオービズといたしました。
 エフビズモデルの産業支援は成果が認められ、国が全都道府県によろず支援拠点を設置しました。エフビズの取り組みにならい、自治体が展開、開設している中小企業支援施設は、現在、全国に16か所あります。また、今年中には4つの自治体で開設が予定されています。つきましては、国が成果を認め、全国に続々と開設されているエフビズモデルの産業支援センターを本市に設置することを提言させていただきます。施設を設置というと箱物の建設と思われるかもしれませんが、エフビズモデルの支援センターは公共施設の空き部屋で十分開設が可能であると言えます。現に富士市産業支援センターは、図書館分館のロビーの一角に壁を立てて、事務所スペースがつくられていました。
 重要なのはビジネスコンサルティングを行う人材でありますが、これについては人材の選考から研修、運営にわたるノウハウを持つ民間事業者に任せることができます。当面は公共施設の空き室を利用しつつ、市庁舎移転の際には新市庁舎に設置していただければ、目玉施設となることと考えられます。知多市産業支援センター、名づけるとすれば「チタビズ」でしょうか。本市の産業面での課題解決に大いに貢献することが期待できる産業支援センターの設置を提言させていただき、1番目の質問を終わります。
 続きまして、2番目、特産品としてのペコロスについて質問いたします。
 小さくてかわいい小タマネギのペコロスは、言わずと知れた本市の特産品であります。ペコロスは直径三、四センチ程度の甘みが強い小型のタマネギです。栽培の歴史は大正時代に始まり、一時は生産量で全国シェアの80パーセントを占めたとのことです。ペコロス栽培はほとんどが手作業で、苗を密植することで小さく育てますが、栽培から出荷に至るまで非常に多くの労力がかかるそうです。
 そのペコロスが今、全国的に注目されています。きっかけは全国放送のテレビ番組での紹介によるものです。生産者の方にお聞きしたところ、テレビの放映があった5月12日から1か月以上たった現在も放映の影響があり、需要がふえており、それに伴って市場での取引単価も上昇しているとのことでした。認知度が高まることによって需要がふえるとともに、価格が上昇するということは価値が認められたということであり、大変喜ばしいことであると思います。
 しかしながら、現状ではペコロスを食べたことがないという市民の方が多いと思われます。この現状は、地域の特産品としては非常にまれなケースであると言えます。このような状況でありますので、テレビ番組での紹介後、私のところにも市民の方から、ペコロスが買えるところを教えてほしいとの問い合わせがありました。また、飲食店の方からは、仕入れ先を教えてほしいとの問い合わせもありました。そこで、今後は生産者や生産量をふやすことはもち論のこと、市内で買える、市内で食べられる特産品を目指していくべきではないかと考え、質問をさせていただく次第です。
 2番目の特産品としてのペコロスについての1点目、生産の現状についての1つ目、生産者の状況について、2つ目、出荷量の推移について、過去5年間の推移をお願いいたします。3つ目、生産支援の取り組みについて、2点目、流通状況についての1つ目、出荷先の内訳について、2つ目、全国シェアについて、3つ目、市内での販売状況について、3点目、特産品としての市内での活用状況についての1つ目、市内の飲食店での提供状況について、2つ目、地域ブランド化推進事業における活用状況について、以上、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 市長。
     (市長 登壇) ◎市長(宮島壽男) 
 御質問の2番目、特産品としてのペコロスについてでございますが、本市の農業は都市近郊型で水稲を始め露地野菜のほか、果実や花卉などの様々な農作物が生産されております。
 地域農業を維持、発展させていくためには、ペコロスやタマネギ、フキ、梅などの特産物の振興が重要だと考えております。その中でもペコロスは市場での評価も高く、最近のテレビ番組でも紹介されるなど評判もよいことから、知多産ペコロスのブランド力の向上にただ今取り組んでおるところでございます。
 御質問の1点目から3点目までにつきましては、環境経済部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
     (市長 降壇) ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の2番目、特産品としてのペコロスについての1点目、生産の現状についての1つ目、生産者の状況についてでございますが、生産者である日長ペコロス生産組合の平成30年度の組合員数は15人で、昨年度と比べて1人増加しています。一方、30年4月1日現在の組合員の平均年齢は62歳で、年代別では30代が2人、40代が2人、50代が1人、60代が5人、70代が2人、80代が3人で、70歳以上が3分の1を占めており、生産者の高齢化が顕著となっています。
 次に、2つ目、出荷量の推移についてでございますが、JAあいち知多によりますと、過去5年間のペコロスの出荷量は、平成25年度が61.3トン、26年度が45.6トン、27年度が37.5トン、28年度が35.8トン、29年度が32.9トンと減少傾向にあります。ペコロスの支援を始めた27年度からの3年間では、おおむね横ばいで推移しており、支援の効果があらわれたものと認識しています。
 次に、3つ目、生産支援の取り組みについてございますが、畑作振興事業として、平成27年度からペコロスの採種に係る費用の一部を補助し、生産性の向上と生産者の経営安定に取り組んでおり、29年度には生産者の高齢化の現状を踏まえ、採種用脱穀機の導入を支援し、効率的な採種と生産者の省力化を行っています。今後も生産者の要望や意見を取り入れ、JAあいち知多と連携しながら、より良質なペコロスの生産に向けた支援を図ってまいります。
 次に、2点目、流通状況についての1つ目、出荷先の内訳についてでございますが、JAあいち経済連によりますと、昨年実績で東京都中央卸売市場が77.1パーセント、名古屋市中央卸売市場が9.6パーセント、大阪市中央卸売市場が7.6パーセント、その他が5.7パーセントとなっています。
 次に、2つ目、全国シェアについてでございますが、生産地ごとに出荷場所や時期が異なるため、全国的なシェアは把握できませんが、JAあいち経済連によりますと、東京都中央卸売市場でのペコロスのシェアは、北海道産が80パーセント、愛知県知多産が10パーセント、ニュージーランドなどの外国産その他が10パーセントとなっており、時期的なシェアでは、5月から8月上旬では愛知県知多産が40から65パーセントのシェアで、北海道産はゼロパーセント、8月下旬から4月までは北海道産が80から90パーセントを占めていると伺っています。
 次に、3つ目、市内での販売状況についてでございますが、ペコロスの販売は市場で落札した事業者の卸し先によりますので、市内での販売状況を把握するのは困難ですが、JA全農が運営する産地直送の通販サイト、JAタウンで購入することができます。
 次に、3点目、特産品としての市内での活用状況についての1つ目、市内の飲食店での提供状況についてでございますが、現状を把握している範囲で、市内でペコロスを使った料理を提供している店舗は1店舗のみです。生産されたペコロスのほとんどが市外に出荷されていることから、ペコロス料理を提供している飲食店は非常に少ないと思われます。
 次に、2つ目、地域ブランド化推進事業における活用状況についてでございますが、ペコロスを題材にした試作品として、ペコロス丸揚げ、ペコロスグラタン、ペコロスオイル漬け、ペコロスどて煮の4品目が開発されています。今後は試作品の改良に加え、ペコロスを使ったメニューをふやしていくことや、市内飲食店での期間限定のメニュー化を考えています。
 また、ペコロスの贈答用のPRパッケージを作成中で、ペコロスの知名度を向上してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございました。
 それでは、再質問をさせていただきます。
 3点目の特産品としての市内での活用状況についての1つ目、市内の飲食店での提供状況についての再質問です。
 市内でペコロスを使った料理を提供している飲食店は、1店舗のみとのことであります。地域ブランド化推進事業では、4品目の試作ができたということですが、当然ここまで来れば、いずれ飲食店等で提供されることになると思います。問題は供給体制ではないかと考えられます。どのような供給体制を考えておられるのかお聞きいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、市内の各飲食店が知多産ペコロスを購入するためには、生産者の日長ペコロス生産組合と出荷先であるJAあいち知多と協力、連携した供給体制を整える必要があると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございます。
 次に、3点目の特産品としての市内での活用状況についての2つ目、地域ブランド化推進事業における活用状況についての再質問です。
 地域ブランド化推進事業の試作品が実際に店頭で提供される時期についてお聞きいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、現段階では試作品を改良する余地があり、市内飲食店でメニューとして提供される時期は未定ですが、ペコロスのPRや市場リサーチを兼ねて、市内飲食店で夏ごろに期間限定のメニューとして提供することを考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 ありがとうございます。
 次に、同じところで、贈答用PRパッケージをどのように活用していくかについてお聞きをいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 環境経済部長。 ◎環境経済部長(早川毅) 
 御質問の件につきましては、市の視察等での手土産や市の行事の記念品などに活用していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎) 
 林 秀人議員。 ◆10番(林秀人) 
 それぞれ御答弁ありがとうございました。再質問はここまでとさせていただきます。
 それでは、所感と要望を述べさせていただきます。
 生産については減少傾向ではあるものの、生産支援の取り組みにより、平成27年度からの3年間ではおおむね横ばいで推移しているとのことであります。今後も生産者の要望を酌み取っていただき、生産者や生産量の増加に結びつく支援をお願いいたします。
 一方で、一つの考え方ではありますが、市内にはタマネギを生産されている農家の方も多くお見えですので、農地を部分的にペコロス栽培に振り分けることができるのか検討をお願いしたいと思います。
 市内での販売状況については、店頭販売は皆無に等しい状況かと思います。イベントなどの臨時的な販売からでも結構ですので、市民の皆様に御購入いただける機会をつくっていただきたいと思います。
 今、ペコロスの人気は大変高まっています。これを機にペコロスの知名度をさらに向上させ、特産品としての価値を高めることで、生産量や生産者の増加、後継者不足の解消等、様々な好循環が期待できます。今後、さらに認知度を高め、特産品としてのペコロスの価値を高めるには、市内で買える、市内で食べられることが必要だと思います。市内で買えることで話題がどんどん拡散され、広がっていくと考えられます。
 また、市内の飲食店で提供され、市内で食べられるようになることで、例えばグルメ番組に紹介されることも期待できます。今年の夏に期間限定ではありますが、ペコロス料理が市内の飲食店で提供されるとの答弁でした。一歩前進であると感じております。ペコロスは通年の出荷ではないため、年中飲食店で提供されることは難しいと思いますが、せめて出荷時期には市内の飲食店で提供されるよう、供給体制を整えていただくことを要望いたします。
 出荷が始まる時期にイベント等を行うことで、佐布里池梅まつりのように、季節の風物詩として毎年メディアで取り上げていただけるようになるかもしれません。ペコロスは知多市が誇る特産品であり、多くの人に喜んで食べていただける可能性を持った食材です。その可能性を伸ばす取り組みをさらに行っていただくことをお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(冨田一太郎) 
 10番 林 秀人議員の質問を終わります。

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