一般質問 平成26年(2014年)12月議会

◆5番(林秀人)
議長のお許しを得ましたので、先に通告の地方創生に向けた本市の取り組みについてお伺いいたします。
この地方創生は、今年5月に前岩手県知事、元総務大臣の増田寛也氏を座長とする日 本創成会議人口減少問題検討分科会が、2040年には若年女性の流出により、全国で896の市区町村が人口減少による消滅の可能性がある消滅可能性都市に なると発表したことがきっかけとなりました。その後、平成26年9月3日、まち・ひと・しごと創生本部が設置され、11月21日には、まち・ひと・しごと 創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案の地方創生関連2法案が可決、成立しました。
地方創生は、少子高齢化に伴う人口の減少に歯止めをかけるとともに、地方に雇用を生み出し、東京圏への人口の過度の集中を是正することで、地方のまち・ひと・しごとを創生することを目的とする政策です。
今回、関連法案が成立して間もない地方創生に関する質問をさせていただくのには、 幾つかの理由があります。まず地方創生では、やる気や創意工夫のある自治体を、国が全力で支援するという手法がとられるということが挙げられます。竹下内 閣で行われた通称ふるさと創生事業では、地方交付税の交付団体に一律1億円が交付されましたが、今回の地方創生では、そのような配分はされないとのことで す。また、努力義務とされている地方版総合戦略の策定期間は、平成27年度中とされるため、非常に短時間での策定を求められ、また、結果を求めるとしています。
まち・ひと・しごとの創生に向けた政策5原則では、結果重視を原則の1つに挙げ、 効果検証の仕組みを伴わないばらまき型の施策は採用せず、明確なPDCAメカニズムのもとに、短期・中長期の具体的な数値目標を設定し、政策効果を客観的 な指標により検証し、必要な改善等を行うこととするとしています。要するに、27年度中という短い期間で、やる気を示した上で、結果が期待できる総合戦略 を策定していく必要があるわけです。これは大変厳しい作業になると推察されます。
さて、私は地方創生については、大いに賛同するところであります。現在の我が国 は、1人の女性が一生の間にお産みになる子どもの平均数を示す指標である合計特殊出生率の比較的高い地方から、合計特殊出生率が際立って低い東京圏への流 出が続き、東京圏が人口のブラックホールと化している状況にあります。地方創生では、地方に雇用を生み出し、地方で住み続けられるようにすることで、東京 圏への人口の一極集中の解消を図り、地方の人口減少を緩和することを目指しています。
私は、本市のベッドタウンからの脱却を目指し、議員活動を行っておりますが、実 は、私の目指すベッドタウンからの脱却は、地方創生と原点が全く同じです。本市に雇用をふやし、このまちで育った子どもたちがこのまちで暮らし続けること ができる環境をつくり出すことが、ベッドタウンからの脱却の目的の1つです。
地方創生は、地方にとって大きなチャンスであり、できる限りの取り組みをしていただくために、早急に情報収集や調査・研究を開始していただきたいと考え、今回、一般質問をさせていただく次第であります。
それでは、質問に入ります。
1点目、概要について。
地方創生を千載一遇のチャンスであると捉え、既に様々な県で取り組みが始まっています。そこで2点目、県の取組状況について。
次に、3点として、本市の現状及び地方創生に向けた取り組みについてお聞きいたします。
地方創生は、人口問題の解決が主な目的と言っても過言ではありません。そこで1つ目、本市の人口の推移及び動向について。
日本創生会議が発表した消滅可能性都市では、20歳から39歳までの女性、いわゆ る若年女性の人口が50パーセント以上減少すると出生率が上昇しても人口維持は困難としています。これは、出生全体の95パーセントが若年女性によるもの であることから、重要な指標とされています。そこで2つ目、20歳から39歳までの女性の人口の推移について。
地方創生の具体策として、地方への人口移動を促すため、Uターンの促進が図られるようです。そこで3つ目、若者のUターンに向けた取り組みについて。
まち・ひと・しごと創生に関連するIT施策として、行政が保有する公共データの公 開、いわゆるオープンデータの自由な二次利用を認めたり、企業間取引や人口動態など、民間・官公庁が蓄積した膨大な情報であるビッグデータを細かく分析で きる地域経済分析システムを来年3月までに開発し、地方自治体へ提供する方針とのことです。そこで4つ目、オープンデータ及びビッグデータの利活用につい て。
最後に4点目、今後の考えについて。
以上をお伺いして、壇上からの質問を終わります。
(5番 林 秀人議員 降壇し質問席へ移動)
○議長(江端菊和)
ここでお諮りします。間もなく12時です。この際、昼食休憩にしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
異議なしと認めます。よって、ただ今から13時、午後1時まで休憩します。
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(休憩 午前11時51分)
(再開 午後1時00分)
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○議長(江端菊和)
それでは、休憩前に引き続き本会議を再開します。
市長。
(市長 登壇)
◎市長(宮島壽男)
5番 林 秀人議員の御質問にお答えします。
御質問の1番目、地方創生に向けた本市の取り組みについてでございますが、国にお いては、今年の9月にまち・ひと・しごと創生本部が閣議決定により設置されました。この創生本部は、人口急減、超高齢化という我が国が直面する課題に対 し、政府が一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生することを目指したものであります。
本市においても、人口の減少や依然として厳しい財政状況の中で成長する活力を取り戻すためには、若い世代が安心して働き、結婚、出産、子育てが楽しくでき、希望を持てる魅力あるまちづくりを進めなければならないと考えております。
御質問の1点目から4点目までにつきましては、企画部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
(市長 降壇)
○議長(江端菊和)
企画部長。
◎企画部長(磯野健司)
御質問の1番目、地方創生に向けた本市の取り組みについての1点目、概要について でございますが、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環 境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、11月21日にまち・ひと・しごと創生法が可決、成立いたしました。この法律では、 国だけでなく地方自治体においても、まち・ひと・しごと創生総合戦略、いわゆる地方版総合戦略の策定が努力義務として規定されました。
次に2点目、県の取組状況についてでございますが、愛知県においては、地方版総合戦略の策定については検討中であると伺っております。
次に3点目、本市の現状及び地方創生に向けた取り組みについての1つ目、本市の人 口の推移及び動向についてでございますが、住民基本台帳上では、本市の人口推移は、平成21年度は93人、22年度は8人、23年度は128人それぞれ減 少し、24年度は外国人が住民基本台帳法の適用対象となったことを主な要因として1,233人増加いたしましたが、25年度は再び71人減少しておりま す。
次に2つ目、20歳から39歳までの女性の人口の推移についてでございますが、平 成21年度は361人、22年度は392人、23年度は373人それぞれ減少し、24年度は外国人が住民基本台帳法の適用対象となったことを主な要因として36人増加し、25年度は再び350人減少しており、21年4月1日から26年4月1日までの5年間で1,440人減少しております。
次に3つ目、若者のUターンに向けた取り組みについてでございますが、今年度14 年ぶりに花火を復活いたしました。夏の風物詩として定着させ、子どもたちにふるさとへの愛着を持っていただくとともに、市外、県外に転出してもふるさとを 懐かしみ、また、ふるさと知多市に帰って住んでみたいと思っていただきたいとの思いを込めて開催したものであります。
また、市長の公約である安全で強靱なまちづくり、住みよいまちづくり、産業振興に よるまちづくりを進めるためにも、優良企業を誘致し、新たな産業、働き場所の創生とシティプロモーションに努め本市の魅力を総括的に発信することで、U ターンのみならずIターンにも取り組んでまいります。さらに、今後は国の地方創生政策などの動向を見きわめつつ、有効な方法を検討してまいります。
次に4つ目、オープンデータ及びビッグデータの利活用についてでございますが、国 は地方創生政策の総合戦略の骨子(案)を公表しており、この中の政策の企画・実行の基本方針案において、国は、ビッグデータに基づく地域経済分析システム を整備し、情報面から支援するとの方針案を示しております。また、各地域は、産業や人口、社会などの現状や将来の動向に関し必要なデータ分析を行い、各地 域の課題を抽出し、各戦略に位置付けるとしております。
本市においても、今後、必要なオープンデータ及びビッグデータの利活用などについて検討を進めてまいります。
次に4点目、今後の考えについてでございますが、本市における地方版総合戦略の策 定については、国の総合戦略も策定前でございますので、今後、情報収集に努めつつ、愛知県の総合戦略の策定等の進捗に合わせながら検討してまいりたいと考 えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(江端菊和)
林議員。
◆5番(林秀人)
地方創生については、関連法案が可決、成立されたばかりでありますので、取り組みについては今後の検討課題であると認識しております。そのような中、地方創生に関連する各項目につきまして詳細に御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
それでは、再質問をさせていただきます。
今、全国の地方創生に関する自治体の取り組みを調べていくと、新たな組織を設置 し、チャンスを十分に活かした対応を行う準備を既に始めている自治体があります。奈良県では、部局横断的に少子化対策や女性支援、産業・雇用推進などに取 り組む県地方創生本部を立ち上げました。また、鳥取県鳥取市では、人口減少問題に対する幅広く効果的な施策の企画立案や国等への制度改正の提案を行うこと を目的に、賑わいのある「すごい!鳥取市」創生本部を設置されております。
そこで、地方創生を踏まえた新たな組織を設置する考えについてお聞きいたします。
○議長(江端菊和)
企画部長。
◎企画部長(磯野健司)
御質問の件についてでございますが、国は9月3日に、内閣総理大臣を本部長に全て の国務大臣を構成員としたまち・ひと・しごと創生本部を設置いたしました。法律が成立して間もないこともあり、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略も策定 されておりません。新たな組織の設置につきましては、推進体制を含め今後、国・県や先進自治体の状況を参考に必要な対応を検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(江端菊和)
林議員。
◆5番(林秀人)
それぞれの質問に対して答弁をいただき、ありがとうございました。
それでは、所感と要望を述べさせていただきます。
まず驚いたことが、20歳から39歳までの女性、いわゆる若年女性人口の減少数で す。先ほどの答弁によると、全体の人口の推移では、特殊事情のあった平成24年度を除けば、4年間の平均で年間75人の減少となります。一方、若年女性人 口の推移は、同じく平成24年度を除外した4年間の平均で369人の減少となります。全体の人口減少数の5倍以上の若年女性人口の減少は、本市の人口問題 にとって大きな課題であると言えます。今後、年齢層や性別ごとの増減を詳しく調べていただき、原因の究明と対策を講じていただきたいと思います。
次に、Uターンに向けた取り組みですが、今年度取り組まれた花火の打ち上げなども 地域の活性化につながる行事であり、Uターンのきっかけになることと思いますが、一時的なイベントだけではなかなかUターンに直接つなげていくことは難しいと思われます。雇用や住宅など暮らしにつながる条件があって、初めてUターンが可能です。市長の公約は、地方創生の趣旨とも整合していると私は思っております。地方創生は、市長公約の実現に向け追い風になることと考えられますので、ぜひ取り組みを進めていただきたいと思います。
地方創生では、東京から地方への人口移動を促す様々な施策が打ち出されるとのこと です。そうなると、受け入れる地方としては雇用や住宅などの受け皿が必要となります。私は、つつじが丘の朝倉団地を再開発し、Uターンされる方の知多半島 における主要な受け皿にしていくべきだと考えます。なぜなら、朝倉団地は知多半島内で唯一の旧日本住宅公団、現UR都市機構の賃貸住宅であるからです。旧 日本住宅公団は、日本住宅公団法により設立された特殊法人です。朝倉団地は政策的に計画され、今まで名古屋近郊の住宅地としての役割を担ってきました。U ターン促進という新たな国の政策の中で、その受け皿になるという新たな役割を果たしていけるよう、御検討を提言いたします。また、朝倉駅とその周辺の再開 発もあわせて御検討いただきたいと思います。
今回、関連法案の可決、成立間もない地方創生について質問をさせていただきまし た。その理由は、地方版総合戦略の策定期限が27年度中の平成28年3月になると推察されるとともに、結果が求められるため策定に膨大な作業時間がかかる と感じたからです。そのため、早期に情報収集と調査研究を開始していただきたいと思い、今議会で質問をさせていただきました。
一昨日、半田市で知多地域地方創生大会が開催され、石破地方創生担当大臣の講演を 聞きました。その中で大臣は、平成28年3月までに全ての都道府県、全ての市町村において、5年以内に各自治体をどのようにするかという計画をつくっていただく。また、この計画は行政だけでつくるのではなく、市民が参加する形で、成果が検証できる計画をつくっていただくなどと述べられていました。このこと から、地方版総合戦略は、恐らく本市においても策定を行うことになると思われます。地方創生を千載一遇のチャンスと捉え、早期に万全の体制で取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(江端菊和)
5番 林 秀人議員の質問を終わります。
(5番 林 秀人議員 自席へ移動)

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