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一般質問 平成27年(2015年)3月議会
◆5番(林秀人)
皆さん、おはようございます。
議長のお許しを得ましたので、先に通告のまち・ひと・しごと地方創生についてお伺いいたします。
地方創生では、地方公共団体において、国の長期ビジョン及び総合戦略を勘案して人 口の現状と将来の展望を提示する地方人口ビジョン及び地域の実情に応じた地方版総合戦略の策定に努めることとなります。また、12月議会の答弁で、外国人 の方が住民基本台帳法の適用対象となった年を除き、ここ数年の総人口の減少が平均約75人であるのに対して、若年女性人口の減少が平均約370人と、総人 口の減少の約5倍、若年女性人口が減少していることがわかりました。この件につきまして、12月議会の一般質問の中で、年齢層や性別ごとの増減を詳しく調べていただき、原因の究明と対策を講じていただきたいと要望させていただきました。
そこで、1点目、地方創生における知多市人口ビジョンについての1つ目、位置付けについて。
2つ目、内容について。
次に、2点目、本市における若年女性人口減少への対応についての1つ目、本市における年齢層別の人口の推移について。
2つ目、若年女性の転出先について。
3つ目、若年女性人口減少の原因分析について。
4つ目、現状の具体策と効果について。
5つ目、今後の対策について。
以上お伺いして、壇上からの質問を終わります。
(5番 林 秀人議員 降壇し質問席へ移動)
○議長(江端菊和)
市長。
(市長 登壇)
◎市長(宮島壽男)
5番 林 秀人議員の御質問にお答えいたします。
御質問の1番目、まち・ひと・しごと地方創生についてでございますが、昨年9月、 国はまち・ひと・しごと創生本部を設置し、その3か月後の12月27日にはまち・ひと・しごと創生総合戦略及び長期ビジョンが閣議決定されるという急ピッ チの展開がなされております。現在、国と全国の自治体が一丸となってまち・ひと・しごと創生に取り組んでおりますのは、人口減少が静かなる危機と呼ばれ、 日常生活ではその影響をなかなか実感できない中で進行し、将来的には日本経済の規模の縮小、国民の生活水準の低下を招き、国としての持続性にもかかわる根 幹的な問題となっているためであります。
知多市人口ビジョン及び知多市版総合戦略を策定、実行するに当たっては、将来にわたって知多市がその活力を維持できるようしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
御質問の1点目及び2点目につきましては、企画部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
(市長 降壇)
○議長(江端菊和)
企画部長。
◎企画部長(磯野健司)
御質問の1番目、まち・ひと・しごと地方創生についての1点目、地方創生における知多市人口ビジョンについての1つ目、位置付けについてと2つ目の内容については、関連がございますので、あわせてお答えさせていただきます。
地方版総合戦略は、地方人口ビジョンの策定を通じて構造的な要因を検証し、中長期 の展望を踏まえて具体的な成果につながる効果的な施策を盛り込むものとされており、人口ビジョンは総合戦略を企画立案する上で重要な基礎となるものであり ます。このため、地方人口ビジョンについては対象期間を国と同じ2060年まで、あるいは国立社会保障・人口問題研究所の推計期間である2040年までと するなど、長期の推計を行う必要がございます。
まずは、人口の現状分析としてこれまでの人口動向の分析、将来人口の推計と分析、人口の変化が地域の将来に与える影響についての分析と考察を行った上で、目指すべき将来の方向を提示し、人口の自然増減・社会増減に関する見通しを立てて将来展望を行うものであります。
次に、2点目、本市における若年女性人口減少への対応についての1つ目、本市における年齢層別の人口の推移についてでございますが、これまでの国勢調査の結果によると、ゼロ歳から14歳までの年少人口は平成2年が1万5,496人、 12年が1万2,591人、22年が1万2,779人で20年間で2,717人の減、15歳から64歳までの生産年齢人口は平成2年が5万3,476人、 12年が5万7,528人、22年が5万4,431人で20年間で955人の増、65歳以上の老年人口は平成2年が6,367人、12年が1万385人、 22年が1万7,454人で20年間で1万1,087人の増となっております。
次に、2つ目、若年女性の転出先についてでございますが、先日、国から地方人口ビ ジョン策定に係る分析用基礎データが提供されました。それによりますと、本市の20歳から39歳までの女性は、最も直近のデータである平成25年中において1年間で723人が転出し、このうち愛知県外への転出者が175人、県内他市町村への転出者が548人でありました。県内転出者の主な内訳は、最も多い のは名古屋市で152人、次いで東海市に120人、常滑市に70人、半田市に36人、阿久比町に25人となっております。
次に、3つ目、若年女性人口減少の原因分析についてでございますが、市の窓口では 転出の理由についてお尋ねしてはおりません。また、これまで人口減少を目的とした調査は行っておりません。このため、現段階においては明確な根拠に基づいての具体的な要因を申し上げることはできません。今後は、人口ビジョンの策定に向け、転入・転出者を対象としたアンケートなどを行い、人口推移の分析を 行ってまいります。
次に、4つ目、現状の具体策と効果についてでございますが、国が策定した長期ビ ジョンで指摘しておりますとおり、人口減少の状況は地域により異なり、三大都市圏の一角として愛知県はこれまで人口を吸引する地域でありました。本市は、 名古屋に近接し、前回実施した平成22年の国勢調査までは総人口は増加を示しており、これまで若年女性人口の減少対策に特化した施策については講じており ませんでした。しかしながら、若年女性の人口動向については今後の人口ビジョンを策定する上での検証課題であると考えております。
次に、5つ目、今後の対策についてでございますが、若年女性人口の動向を含め、人口の現状分析と将来推計をしっかりと行い、将来展望を提示できるよう人口ビジョンの策定を進めてまいります。
また、新年度においては、子ども、若者、女性の活躍・支援の部門を集約する組織改編を行います。総合戦略には、行政組織の縦割りを越え、切れ目のない施策を盛り込むべく検討を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(江端菊和)
林議員。
◆5番(林秀人)
地方創生に関連する各項目につきまして、詳細に御答弁をいただきましてありがとうございました。
それでは、再質問をさせていただきます。
今後、知多市人口ビジョン及び知多市版総合戦略を策定・実行するとのことですが、策定段階や効果検証の段階においての議会への報告などについてはどのようにお考えか、お聞きいたします。
○議長(江端菊和)
企画部長。
◎企画部長(磯野健司)
御質問の件につきましては、様々な立場からの御意見をお聴きして策定する考えであり、策定段階における節目には取りまとめ状況を議会に御報告してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(江端菊和)
林議員。
◆5番(林秀人)
若年女性の転出先についての答弁で、平成25年中の若年女性の転出が723人とのことでありましたが、転入は何名であったかお聞きいたします。
○議長(江端菊和)
企画部長。
◎企画部長(磯野健司)
御質問の件につきましては、本市への転入は677人で、県外から172人、県内他市町村から505人で、県内他市町村からの内訳で主なものは、名古屋市から122人、東海市から119人、常滑市から51人となっておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(江端菊和)
林議員。
◆5番(林秀人)
若年女性の転出先を御答弁いただきましたが、年齢層別の転出数について5歳刻みでお答えください。
○議長(江端菊和)
企画部長。
◎企画部長(磯野健司)
御質問の件につきましては、平成25年中の1年間の転出者数は、20歳から24歳までが158人、25歳から29歳までが250人、30歳から34歳までが209人、35歳から39歳までが106人でありますので、よろしくお願いいたします。
○議長(江端菊和)
林議員。
◆5番(林秀人)
次に、若年女性と同じ年代、つまり20歳から39歳までの男性の増減について5歳刻みでお答えください。
○議長(江端菊和)
企画部長。
◎企画部長(磯野健司)
御質問の件につきましては、転入者数から転出者数を差し引いた社会増減の状況は、 若年男性の全ての年齢区分で社会減となっており、20歳から24歳までは19人の減、25歳から29歳までは8人の減、30歳から34歳までは28人の 減、35歳から39歳までは9人の減、合計で64人の社会減でありますので、よろしくお願いいたします。
○議長(江端菊和)
林議員。
◆5番(林秀人)
それでは、次に平成25年の近隣他市町の若年女性人口の増減数についてお聞きいたします。
○議長(江端菊和)
企画部長。
◎企画部長(磯野健司)
御質問の件につきましては、社会増減の状況を申し上げますと、本市が46人の減であるのに比べ半田市は40人の減、常滑市は169人の増、東海市は236人の増、大府市は143人の増となっておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(江端菊和)
林議員。
◆5番(林秀人)
それぞれの質問に対して御答弁をいただき、ありがとうございました。
市長の答弁の中で、人口減少が静かなる危機と呼ばれ、日常生活ではその影響をなか なか実感できない中で進行し、問題となっていると言われました。まさに、人口問題というのは市民の皆様の目に見えにくい問題であり、私たち議員も取り組むべき課題であると言えます。私たち議員にとって、こうした市民の皆様が日常生活の中では実感しにくい市の課題を見つけ、改善に向け提言することも大切な仕 事です。市民の皆様が日常生活の中で感じることができる課題は、地区要望やアンケート調査への回答といった形で行政に伝えることもできます。また、私たち 議員は、市民の皆様よりもたくさんのデータや資料、さらには先進地視察などで実際に現地を訪れて、多くの情報を得ることができます。それらをもとに、表に 出てこない水面下の課題に取り組むことがとても重要であると考えております。
それでは、所感と要望、提言を述べさせていただきます。
昨年12月議会では、平成25年度の若年女性人口は350人の減少との答弁があり ました。今回は社会増減で46人の減少とのことですので、40歳になった人が20歳になった人に比べ304人多かったということになると思います。若年女 性人口の大幅な減少の大部分が人口構成の問題であり、転出超過がそれほど多くないことに少し安心しました。また、若年男性の転出もそれほど多くなく、お嫁さんを他市町から連れてきていただくための動機付けをすることで若年女性の転入をふやせるのではないかと考えます。これから知多市版人口ビジョンを策定されるとのことですが、今回詳細な答弁をいただきました若年女性人口については地方創生の重要な部分でありますので、十分に御検討いただきたいと思います。
日本創成会議では、30年で若年女性人口が5割以上減少する自治体を消滅可能性都 市としています。平成26年の知多市における若年女性人口は1万648人、先ほども申しましたここ数年の若年女性人口の減少数が平均約370人、今後も毎 年370人ずつ若年女性人口が減少したと仮定した場合、30年後には本市も消滅可能性都市の要件を満たすこととなります。これは、かなり危機的な状況であると言えます。
この原因を考えていったとき、住みよさランキングの急落ということも若年女性人口 の減少と関連があるのではないかと考えます。知多市の住みよさランキングは、2010年は261位、2011年は東日本大震災の影響でランキングが発表されておりませんが、2012年は456位、2013年は509位、2014年は590位と5年で329位も順位を下げております。ちなみに、近隣で知多市 からの若年女性の転出が多い東海市は全国16位、常滑市が106位、半田市が220位となっております。転出は多くありませんが、大府市は90位です。住 みよさランキングの高いまちへの転出が多いという結果が出ていることは、偶然とは言えないのではないかと考えます。
住みよさランキングは、安心、利便、快適、富裕、住居という5つの観点から算出されております。安心は医療・福祉分野、利便は商業分野、快適は下水や公園などの都市基盤分野、富裕は財政分野、住居は住宅分野です。これらの中で、特に本 市の利便は772位と非常に低位であります。利便度は、人口1人当たりの小売業年間商品販売額と人口1人当たりの大型小売店店舗面積で算出されます。商業 力の極端な弱さが住みよさを低くしていると考えられます。知多市の住みよさを向上させるには商業力の向上が最優先であると考えます。この部分を改善していくと若者の転入がふえてくるのではないかと考えられます。ぜひ御検討いただきたいと思います。
昨日、知多市商工会青年部さんと知多市議会議員全員とで意見交換会が開かれまし た。その中で、知多市の住みよさランキングの低さを心配され、知多市の将来展望についての質問がありました。私は、市長ビジョンを紹介し、このビジョンを 推進する中で皆さんが感じる危機は回避できるとお答えさせていただきました。
地方創生の理念を簡単に言うと、日本国中それぞれのまちにちゃんと働く場所をつくっていきましょうということだと理解しています。地方創生で一番重要視されている事項は雇用であると言えます。人口の増減に最も影響を与える要素が雇用 であるからです。今、新たな産業用地の開発も計画されておりますが、加えて、空き店舗に新たな事業者が入っていただけるような施策を講じていただきたいと 思います。
今、私は地方創生の成功事例を調査・研究していますが、その1つとして徳島県神山 町の神山プロジェクトに注目しています。地域に雇用がないのであれば仕事を持った人に移住してもらうというワーク・イン・レジデンスという手法で成果を上げています。これから、創造的に様々な手法を検討し、試していかなくてはならないと思います。これからも、皆さんと一緒に知恵を出し合いながら、子どもたちが住み続けられるまちをつくっていきたいと思います。
以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(江端菊和)
5番 林 秀人議員の質問を終わります。
(5番 林 秀人議員 自席へ移動)