- Home
- 一般質問 平成30年(2018年)3月議会
一般質問 平成30年(2018年)3月議会
◆10番(林秀人)
議長のお許しを得ましたので、先に通告の昼夜間人口比率について質問をさせていただきます。
昼夜間人口比率とは、常住人口である夜間人口を100とした場合の昼間人口の比率であり、100を超えているときは通勤・通学人口の流入超過、100を下回っているときは通勤・通学人口の流出超過を示しています。昼間人口は、常住人口に他市町から通勤・通学してくる人口を足し、他市町へ通勤・通学する人口を引いたものであります。なお、昼間人口には、昼間の買い物客などは含みません。
この昼夜間人口比率については、以前より、本市がベッドタウンということで注目をしておりました。今回、改めて昼夜間人口比率について調査研究を行ったのは、所属する知多半島議員勉強会一気の会で連携中枢都市圏構想の研修を受けたことがきっかけとなりました。人口減少時代を迎え、今後、さらに知多半島の自治体が連携し、自治体運営をする上で、国の施策である連携中枢都市圏構想を学ぶ必要があるとの考えから、研修が企画されました。研修は、昨年の11月29日に衆議院第二議員会館において、総務省自治行政局市町村課の方を講師に行いました。
連携中枢都市圏構想とは、人口減少・少子高齢社会にあっても地域を活性化し、経済を持続可能なものとし、国民が安心して快適な暮らしを営んでいけるようにするために、地域において相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し、コンパクト化とネットワーク化により、経済成長の牽引、高次都市機能の集積・強化及び生活関連機能サービスの向上を行うことにより、人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための拠点を形成する政策です。この構想は、第30次地方制度調査会「大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申」を踏まえて制度化したものであり、平成26年度から全国展開が行われています。
連携中枢都市圏構想における圏域の中心となる都市の条件として、昼夜間人口比率がおおむね100パーセント以上とされています。このことを研修で知り、今、自治体を評価する指標として、昼夜間人口比率が大変重要になってきていることがわかりました。また、今後の基礎自治体のあり方として、政府が国として、合併から連携へとかじを切っていることが理解できました。
この研修をきっかけといたしまして、過去の市長さんの昼夜間人口比率に対する考えを議事録から探してみました。平成17年3月議会の明和会の森田議員の代表質問に対する答弁で加藤前市長さんは、「本市は平成12年の国勢調査では、昼間人口は6万1,884人、夜間人口が8万504人で、昼夜間人口比率は76.9パーセントとなっております。この数値は、東海市の100パーセント、大府市の99.2パーセントに比べて極めて低い水準にあります。この昼夜間人口比率を高めることができれば、市内での消費が増え、商業の活性化につながってまいります。したがって、商工業活性化施策としては、市内に多くの雇用機会が得られるような企業誘致などを図ることが最も重要であると考えております」と答弁されています。
また、平成25年12月定例会の小坂 昇議員の一般質問に対する答弁で宮島市長は、「本市の大きな課題は、若者の就業先がやはり少ないということでございます。本市の昼夜間人口比率は、県下の市の中で最も低い数値でございます。そこで、工業に限らず商業も含めて、優良な企業、活力ある企業、さらに女性の就業が期待できる企業を誘致することが大切であると私は思っております。産業振興は、市の収入を支え、市民生活を安定的に持続させていく上で必要な施策でございます。このためにも、「産業振興のまちづくり」を積極的に進めていかなければならないと考えております」と答弁されております。
加藤前市長さんも、宮島市長さんも、昼夜間人口比率が低いことを問題として捉え、解決策として企業誘致や商業誘致等を挙げておられます。
また、2017年度版の東洋経済「都市データパック」住みよさランキングでは、愛知県内上位3市の昼夜間人口比率を調べますと、県内ランキング1位、全国ランキング3位の長久手市は102.24パーセント、県内ランキング2位、全国ランキング19位の日進市は99.67パーセント、県内ランキング3位、全国ランキング21位のみよし市は110.07パーセントとなっています。この県内上位3市、実は本市と同じ名古屋のベッドタウンであります。同じ名古屋のベッドタウンでありますが、本市の住みよさランキングは、愛知県内38市中37位、全国ランキングは全国814市区中699位です。しかも、2010年には全国809市区中261位だったものが2017年には全国814市区中699位と、8年で438位も順位を落としています。
このような調査の中から、昼夜間人口比率が今後、本市を発展させるための大きな鍵なのではないかと考え、質問させていただく次第であります。
1点目、これまでの推移について、2点目、知多半島4市の状況について、3点目、数値目標を設定する考えについて、4点目、現状の評価について、以上お聞きいたしまして、壇上からの質問を終わります。
(10番 林 秀人議員 降壇し質問席へ移動) ○議長(冨田一太郎)
市長。
(市長 登壇) ◎市長(宮島壽男)
10番 林 秀人議員の御質問にお答えします。
御質問の1番目、昼夜間人口比率についてでございますが、昼夜間人口比率は、市民の通勤・通学のライフスタイルの状況や市内事業所の雇用状況などに影響を受け、都市の特徴をあらわす指標の一つでございます。本市が長年ベッドタウンとして発展してきたことが昼夜間人口比率にあらわれているものと捉えておるところでございます。
御質問の1点目から4点目までにつきましては、企画部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
(市長 降壇) ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の1番目、昼夜間人口比率についての1点目、これまでの推移についてでございますが、直近の平成27年の国勢調査の結果では77.6パーセントで、22年の78.0パーセントからわずかに低下しました。市制施行以降の推移としましては、昭和45年は76.2パーセントで、50年には最も高い80.9パーセントとなり、55年、60年ともに80パーセントを超えていました。その後、平成2年は76.3パーセント、7年には過去最低の75.5パーセントとなったものの、12年は76.9パーセント、17年は77.1パーセントと、少しずつ上昇傾向でありました。
次に、2点目、知多半島4市の状況についてでございますが、平成27年の状況は、半田市が99.7パーセント、常滑市が101.9パーセント、東海市が101.2パーセント、大府市が100.8パーセントとなっています。
次に、3点目、数値目標を設定する考えについてでございますが、現在、市といたしましても、まちのにぎわいを創出するため様々な取り組みを行っておりますが、その成果を昼夜間人口比率の具体的な数値目標として掲げる考えは現時点ではありません。
次に、4点目、現状の評価についてでございますが、現状の昼夜間人口比率は、本市のベッドタウンとしての性格を端的にあらわしているものと考えております。名古屋への通勤・通学にも便利で、また、安全・安心な住環境を備えた暮らしやすいまちとして発展し、まさにちょうどいいまちとしてあり続けてきたのではないかと感じています。一方で、昼間人口が少ないということは、市内における雇用や商業機能の面での弱さをあらわしているとも捉えております。
これまで浦浜地区での工業用地開発事業では約15.6ヘクタールを完売し、現在、8社が操業しております。今後は、工業系では、大興寺工業団地の拡張事業や新南地区の土地区画整理事業による企業誘致を、住居系では、信濃川東部地区の土地区画整理事業を予定しております。さらには、朝倉駅周辺整備事業における商業機能の強化などによって、職場と住まいが近接するライフスタイルを実現できる環境を創出することで昼間人口の増加にもつながるものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
ありがとうございました。
それでは、再質問に入らせていただきますが、先ほど壇上で申し上げました調査内容をパネルにまとめましたので、ごらんいただきたいと思います。数字を多くお示しさせていただきましたので、なかなかイメージをしにくいと思いましたので、今回はパネルを用意させていただきました。
まず、住みよさランキングの県内ランキングと上位3市の昼夜間人口比率でございます。
県内ランキング1位の長久手市は、全国ランキング3位で昼夜間人口比率102.24パーセント、県内ランキング2位の日進市は、全国ランキング19位で昼夜間人口比率99.67パーセント、県内ランキング3位のみよし市は、全国ランキング21位で昼夜間人口比率110.07パーセントとなっています。
この数値は、平成22年の国勢調査からのものでございます。本市は、先ほどの答弁によると78パーセントであります。ちなみに東海市は県内4位、全国23位、常滑市が県内5位、全国29位となっております。
次に、本市の住みよさランキングの推移ですが、2010年には全国809市区中261位だったものが2017年には全国814市区中699位と、8年で438位も順位を落としています。同じ名古屋のベッドタウンでありますが、客観的評価に差が出ている状況と言えます。そこで、もう少し掘り下げてみたいと思います。
それでは、再質問をさせていただきます。
1点目のこれまでの推移についての答弁で、直近の平成27年の国勢調査の結果で77.6パーセントとなり、22年の78パーセントからわずかに低下したとのことですが、どのような原因で低下をしたのか、答弁願います。 ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の件についてでございますが、公表されている統計資料では、男女別・年代別の昼間人口、夜間人口、昼夜間人口比率を把握することはできますが、それぞれに増減があり、その増減の状況や増減幅に特定の傾向が見られないため、0.4ポイント低下の具体的な原因を特定するのは難しい状況にありますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
ありがとうございます。
確かに特定することは難しいと思いますが、通勤・通学で市外に出られる方の割合がふえたということですので、雇用のマッチング等も考えられます。どのような現象が起こっているか、注意深く見ていく必要があると感じております。
同じく1点目のこれまでの推移についてですが、市外にお勤めだった方が定年などで退職をされるとその分昼間人口がふえることになり、昼夜間人口比率への影響も大きいと思われますが、最近の状況について答弁願います。 ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の件についてでございますが、平成22年の調査時の55歳から59歳までの昼間人口は4,243人で、この年代が5年たった27年の60歳から64歳までの昼間人口は4,318人と、75人増加しております。一方、この間、同じ年代の夜間人口は、5,754人から5,620人へと134人減少しており、昼間人口の増加と夜間人口の減少が相まって、この年代に限った昼夜間人口比率は3.1ポイント上昇しておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
ありがとうございます。
60歳から64歳までの夜間人口の減少が昼間人口の増加を上回っているとの興味深い答弁がありました。定年後、御実家等のある地域へ転出される方もお見えなのかもしれません。この年代の方の昼間人口は今後もふえると思いますが、財政的にはマイナスの面もありますので、この増加分を見越した生産年齢人口の増加策が必要だと感じております。
続きまして、4点目の答弁に対する再質問です。
現状の昼夜間人口比率は本市の性格をあらわしている、また、ちょうどいいまちとしてあり続けたと肯定的に捉えられております。一方で、商業面での弱さをあらわしている、さらに、今後の開発で昼間人口は増加につながるということであります。
現状のままでよいのか、それとも昼間人口をふやしたいのか、どのような評価をされているのか、答弁願います。 ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の件についてでございますが、まちの活力強化、にぎわいの創出、地域経済の活性化などのため様々な施策を進めており、その結果として昼間人口がふえることは好ましいことと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
ありがとうございます。
これまでベッドタウンとして発展をしてきたが、にぎわいの創出と地域経済の活性化でさらに発展を目指すとの前向きな姿勢であると受け取らせていただきました。
続きまして、さらに4点目の答弁に対する再質問です。
今計画をされている開発によって昼間人口の増加につながるとの答弁でしたが、その開発によってどれぐらいの昼間人口の増加が見込めるのか、計画上の数値で結構ですので、答弁願います。 ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の件についてでございますが、信濃川東部地区の土地区画整理事業での宅地造成の計画人口は約720人としておりますが、企業誘致では進出する企業によって雇用人数が異なり、現時点での見込み数値はございませんので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
それぞれ答弁、ありがとうございました。再質問はここまでとさせていただきます。
それでは、所感と要望を述べさせていただきます。
住みよさランキング上位市との比較も示させていただきましたが、やはり昼夜間人口比率の低い単純ベッドタウンでは、客観的評価が低くなってしまうことがはっきりとしてきております。冒頭、壇上でも述べさせていただきましたが、住みよさランキングの愛知県内上位3市も、本市と同じ名古屋のベッドタウンです。現状、客観的評価の高いまちは、ベッドタウンをベースに産業振興や商業振興を行い、結果として昼夜間人口比率が高いまちであります。
本市は、ベッドタウンとしての基盤はしっかりとしたものがあります。あとは産業振興と商業振興のレベルアップが重要だと考えております。本市においても、産業振興のまちづくりということで、産業用地の開発を急ピッチで進めておられます。今後は、企業誘致や商業誘致をさらに進め、雇用をふやし、昼夜間人口比率も高めていくという方向に向かっているのだと認識をしております。
ここで大切なのは、どれぐらいの量を、どれぐらいの期間で達成していくかということだと思います。第5次総合計画では、事業所従業者数の平成32年の目標値が2万1,900人です。18年10月1日現在での基準値が2万1,123人です。つまり、第5次総合計画では777人の事業所従業者数の増を見込んだ計画を立て、施策を講じたわけであります。
一方で、例えば本市の昼夜間人口比率を100パーセントにしようとした場合、夜間人口を現状とすれば、昼間人口をおよそ1万9,000人ふやさなくてはなりません。第6次総合計画では、高いレベルでの目標設定と実現に向けた施策展開等、つくり上げていただくことを要望いたします。
本市は、今、大変厳しい状況にありますが、こんなときこそ、大きな河川もなく、いつも水不足で干害に苦しむ多くの農民がいたこの知多半島に木曽川の水を引こうと立ち上がった郷土の偉人、久野庄太郎さんの心意気を思いながら仕事をしていかなければならないと感じております。過去に放送された愛知用水建設事業のドラマを描いた「プロジェクトX」という番組を録画したものを何度も何度も見返しますが、毎回感動で涙が出てきます。第6次総合計画は、第6次ということで、いうならばプロジェクトシックスであります。郷土の危機を救うための壮大な計画にしていただきたいと思います。
これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(冨田一太郎)
10番 林 秀人議員の質問を終わります。
議長のお許しを得ましたので、先に通告の昼夜間人口比率について質問をさせていただきます。
昼夜間人口比率とは、常住人口である夜間人口を100とした場合の昼間人口の比率であり、100を超えているときは通勤・通学人口の流入超過、100を下回っているときは通勤・通学人口の流出超過を示しています。昼間人口は、常住人口に他市町から通勤・通学してくる人口を足し、他市町へ通勤・通学する人口を引いたものであります。なお、昼間人口には、昼間の買い物客などは含みません。
この昼夜間人口比率については、以前より、本市がベッドタウンということで注目をしておりました。今回、改めて昼夜間人口比率について調査研究を行ったのは、所属する知多半島議員勉強会一気の会で連携中枢都市圏構想の研修を受けたことがきっかけとなりました。人口減少時代を迎え、今後、さらに知多半島の自治体が連携し、自治体運営をする上で、国の施策である連携中枢都市圏構想を学ぶ必要があるとの考えから、研修が企画されました。研修は、昨年の11月29日に衆議院第二議員会館において、総務省自治行政局市町村課の方を講師に行いました。
連携中枢都市圏構想とは、人口減少・少子高齢社会にあっても地域を活性化し、経済を持続可能なものとし、国民が安心して快適な暮らしを営んでいけるようにするために、地域において相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し、コンパクト化とネットワーク化により、経済成長の牽引、高次都市機能の集積・強化及び生活関連機能サービスの向上を行うことにより、人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための拠点を形成する政策です。この構想は、第30次地方制度調査会「大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申」を踏まえて制度化したものであり、平成26年度から全国展開が行われています。
連携中枢都市圏構想における圏域の中心となる都市の条件として、昼夜間人口比率がおおむね100パーセント以上とされています。このことを研修で知り、今、自治体を評価する指標として、昼夜間人口比率が大変重要になってきていることがわかりました。また、今後の基礎自治体のあり方として、政府が国として、合併から連携へとかじを切っていることが理解できました。
この研修をきっかけといたしまして、過去の市長さんの昼夜間人口比率に対する考えを議事録から探してみました。平成17年3月議会の明和会の森田議員の代表質問に対する答弁で加藤前市長さんは、「本市は平成12年の国勢調査では、昼間人口は6万1,884人、夜間人口が8万504人で、昼夜間人口比率は76.9パーセントとなっております。この数値は、東海市の100パーセント、大府市の99.2パーセントに比べて極めて低い水準にあります。この昼夜間人口比率を高めることができれば、市内での消費が増え、商業の活性化につながってまいります。したがって、商工業活性化施策としては、市内に多くの雇用機会が得られるような企業誘致などを図ることが最も重要であると考えております」と答弁されています。
また、平成25年12月定例会の小坂 昇議員の一般質問に対する答弁で宮島市長は、「本市の大きな課題は、若者の就業先がやはり少ないということでございます。本市の昼夜間人口比率は、県下の市の中で最も低い数値でございます。そこで、工業に限らず商業も含めて、優良な企業、活力ある企業、さらに女性の就業が期待できる企業を誘致することが大切であると私は思っております。産業振興は、市の収入を支え、市民生活を安定的に持続させていく上で必要な施策でございます。このためにも、「産業振興のまちづくり」を積極的に進めていかなければならないと考えております」と答弁されております。
加藤前市長さんも、宮島市長さんも、昼夜間人口比率が低いことを問題として捉え、解決策として企業誘致や商業誘致等を挙げておられます。
また、2017年度版の東洋経済「都市データパック」住みよさランキングでは、愛知県内上位3市の昼夜間人口比率を調べますと、県内ランキング1位、全国ランキング3位の長久手市は102.24パーセント、県内ランキング2位、全国ランキング19位の日進市は99.67パーセント、県内ランキング3位、全国ランキング21位のみよし市は110.07パーセントとなっています。この県内上位3市、実は本市と同じ名古屋のベッドタウンであります。同じ名古屋のベッドタウンでありますが、本市の住みよさランキングは、愛知県内38市中37位、全国ランキングは全国814市区中699位です。しかも、2010年には全国809市区中261位だったものが2017年には全国814市区中699位と、8年で438位も順位を落としています。
このような調査の中から、昼夜間人口比率が今後、本市を発展させるための大きな鍵なのではないかと考え、質問させていただく次第であります。
1点目、これまでの推移について、2点目、知多半島4市の状況について、3点目、数値目標を設定する考えについて、4点目、現状の評価について、以上お聞きいたしまして、壇上からの質問を終わります。
(10番 林 秀人議員 降壇し質問席へ移動) ○議長(冨田一太郎)
市長。
(市長 登壇) ◎市長(宮島壽男)
10番 林 秀人議員の御質問にお答えします。
御質問の1番目、昼夜間人口比率についてでございますが、昼夜間人口比率は、市民の通勤・通学のライフスタイルの状況や市内事業所の雇用状況などに影響を受け、都市の特徴をあらわす指標の一つでございます。本市が長年ベッドタウンとして発展してきたことが昼夜間人口比率にあらわれているものと捉えておるところでございます。
御質問の1点目から4点目までにつきましては、企画部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
(市長 降壇) ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の1番目、昼夜間人口比率についての1点目、これまでの推移についてでございますが、直近の平成27年の国勢調査の結果では77.6パーセントで、22年の78.0パーセントからわずかに低下しました。市制施行以降の推移としましては、昭和45年は76.2パーセントで、50年には最も高い80.9パーセントとなり、55年、60年ともに80パーセントを超えていました。その後、平成2年は76.3パーセント、7年には過去最低の75.5パーセントとなったものの、12年は76.9パーセント、17年は77.1パーセントと、少しずつ上昇傾向でありました。
次に、2点目、知多半島4市の状況についてでございますが、平成27年の状況は、半田市が99.7パーセント、常滑市が101.9パーセント、東海市が101.2パーセント、大府市が100.8パーセントとなっています。
次に、3点目、数値目標を設定する考えについてでございますが、現在、市といたしましても、まちのにぎわいを創出するため様々な取り組みを行っておりますが、その成果を昼夜間人口比率の具体的な数値目標として掲げる考えは現時点ではありません。
次に、4点目、現状の評価についてでございますが、現状の昼夜間人口比率は、本市のベッドタウンとしての性格を端的にあらわしているものと考えております。名古屋への通勤・通学にも便利で、また、安全・安心な住環境を備えた暮らしやすいまちとして発展し、まさにちょうどいいまちとしてあり続けてきたのではないかと感じています。一方で、昼間人口が少ないということは、市内における雇用や商業機能の面での弱さをあらわしているとも捉えております。
これまで浦浜地区での工業用地開発事業では約15.6ヘクタールを完売し、現在、8社が操業しております。今後は、工業系では、大興寺工業団地の拡張事業や新南地区の土地区画整理事業による企業誘致を、住居系では、信濃川東部地区の土地区画整理事業を予定しております。さらには、朝倉駅周辺整備事業における商業機能の強化などによって、職場と住まいが近接するライフスタイルを実現できる環境を創出することで昼間人口の増加にもつながるものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
ありがとうございました。
それでは、再質問に入らせていただきますが、先ほど壇上で申し上げました調査内容をパネルにまとめましたので、ごらんいただきたいと思います。数字を多くお示しさせていただきましたので、なかなかイメージをしにくいと思いましたので、今回はパネルを用意させていただきました。
まず、住みよさランキングの県内ランキングと上位3市の昼夜間人口比率でございます。
県内ランキング1位の長久手市は、全国ランキング3位で昼夜間人口比率102.24パーセント、県内ランキング2位の日進市は、全国ランキング19位で昼夜間人口比率99.67パーセント、県内ランキング3位のみよし市は、全国ランキング21位で昼夜間人口比率110.07パーセントとなっています。
この数値は、平成22年の国勢調査からのものでございます。本市は、先ほどの答弁によると78パーセントであります。ちなみに東海市は県内4位、全国23位、常滑市が県内5位、全国29位となっております。
次に、本市の住みよさランキングの推移ですが、2010年には全国809市区中261位だったものが2017年には全国814市区中699位と、8年で438位も順位を落としています。同じ名古屋のベッドタウンでありますが、客観的評価に差が出ている状況と言えます。そこで、もう少し掘り下げてみたいと思います。
それでは、再質問をさせていただきます。
1点目のこれまでの推移についての答弁で、直近の平成27年の国勢調査の結果で77.6パーセントとなり、22年の78パーセントからわずかに低下したとのことですが、どのような原因で低下をしたのか、答弁願います。 ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の件についてでございますが、公表されている統計資料では、男女別・年代別の昼間人口、夜間人口、昼夜間人口比率を把握することはできますが、それぞれに増減があり、その増減の状況や増減幅に特定の傾向が見られないため、0.4ポイント低下の具体的な原因を特定するのは難しい状況にありますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
ありがとうございます。
確かに特定することは難しいと思いますが、通勤・通学で市外に出られる方の割合がふえたということですので、雇用のマッチング等も考えられます。どのような現象が起こっているか、注意深く見ていく必要があると感じております。
同じく1点目のこれまでの推移についてですが、市外にお勤めだった方が定年などで退職をされるとその分昼間人口がふえることになり、昼夜間人口比率への影響も大きいと思われますが、最近の状況について答弁願います。 ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の件についてでございますが、平成22年の調査時の55歳から59歳までの昼間人口は4,243人で、この年代が5年たった27年の60歳から64歳までの昼間人口は4,318人と、75人増加しております。一方、この間、同じ年代の夜間人口は、5,754人から5,620人へと134人減少しており、昼間人口の増加と夜間人口の減少が相まって、この年代に限った昼夜間人口比率は3.1ポイント上昇しておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
ありがとうございます。
60歳から64歳までの夜間人口の減少が昼間人口の増加を上回っているとの興味深い答弁がありました。定年後、御実家等のある地域へ転出される方もお見えなのかもしれません。この年代の方の昼間人口は今後もふえると思いますが、財政的にはマイナスの面もありますので、この増加分を見越した生産年齢人口の増加策が必要だと感じております。
続きまして、4点目の答弁に対する再質問です。
現状の昼夜間人口比率は本市の性格をあらわしている、また、ちょうどいいまちとしてあり続けたと肯定的に捉えられております。一方で、商業面での弱さをあらわしている、さらに、今後の開発で昼間人口は増加につながるということであります。
現状のままでよいのか、それとも昼間人口をふやしたいのか、どのような評価をされているのか、答弁願います。 ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の件についてでございますが、まちの活力強化、にぎわいの創出、地域経済の活性化などのため様々な施策を進めており、その結果として昼間人口がふえることは好ましいことと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
ありがとうございます。
これまでベッドタウンとして発展をしてきたが、にぎわいの創出と地域経済の活性化でさらに発展を目指すとの前向きな姿勢であると受け取らせていただきました。
続きまして、さらに4点目の答弁に対する再質問です。
今計画をされている開発によって昼間人口の増加につながるとの答弁でしたが、その開発によってどれぐらいの昼間人口の増加が見込めるのか、計画上の数値で結構ですので、答弁願います。 ○議長(冨田一太郎)
企画部長。 ◎企画部長(森田俊夫)
御質問の件についてでございますが、信濃川東部地区の土地区画整理事業での宅地造成の計画人口は約720人としておりますが、企業誘致では進出する企業によって雇用人数が異なり、現時点での見込み数値はございませんので、よろしくお願いいたします。 ○議長(冨田一太郎)
林 秀人議員。 ◆10番(林秀人)
それぞれ答弁、ありがとうございました。再質問はここまでとさせていただきます。
それでは、所感と要望を述べさせていただきます。
住みよさランキング上位市との比較も示させていただきましたが、やはり昼夜間人口比率の低い単純ベッドタウンでは、客観的評価が低くなってしまうことがはっきりとしてきております。冒頭、壇上でも述べさせていただきましたが、住みよさランキングの愛知県内上位3市も、本市と同じ名古屋のベッドタウンです。現状、客観的評価の高いまちは、ベッドタウンをベースに産業振興や商業振興を行い、結果として昼夜間人口比率が高いまちであります。
本市は、ベッドタウンとしての基盤はしっかりとしたものがあります。あとは産業振興と商業振興のレベルアップが重要だと考えております。本市においても、産業振興のまちづくりということで、産業用地の開発を急ピッチで進めておられます。今後は、企業誘致や商業誘致をさらに進め、雇用をふやし、昼夜間人口比率も高めていくという方向に向かっているのだと認識をしております。
ここで大切なのは、どれぐらいの量を、どれぐらいの期間で達成していくかということだと思います。第5次総合計画では、事業所従業者数の平成32年の目標値が2万1,900人です。18年10月1日現在での基準値が2万1,123人です。つまり、第5次総合計画では777人の事業所従業者数の増を見込んだ計画を立て、施策を講じたわけであります。
一方で、例えば本市の昼夜間人口比率を100パーセントにしようとした場合、夜間人口を現状とすれば、昼間人口をおよそ1万9,000人ふやさなくてはなりません。第6次総合計画では、高いレベルでの目標設定と実現に向けた施策展開等、つくり上げていただくことを要望いたします。
本市は、今、大変厳しい状況にありますが、こんなときこそ、大きな河川もなく、いつも水不足で干害に苦しむ多くの農民がいたこの知多半島に木曽川の水を引こうと立ち上がった郷土の偉人、久野庄太郎さんの心意気を思いながら仕事をしていかなければならないと感じております。過去に放送された愛知用水建設事業のドラマを描いた「プロジェクトX」という番組を録画したものを何度も何度も見返しますが、毎回感動で涙が出てきます。第6次総合計画は、第6次ということで、いうならばプロジェクトシックスであります。郷土の危機を救うための壮大な計画にしていただきたいと思います。
これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(冨田一太郎)
10番 林 秀人議員の質問を終わります。